資源生物学特論 I
大学院・水産科学院

水産科学研究院博士課程前期過程 2単位
西村欣也の講義担当開講日程 2016年4月26日(火) 1時限目 (8:45~10:15) 教室:講義棟2番教室

メッセージと授業の目的:
研究は科学的価値が問われる。一見社会的に権威付けられた研究から、諸君は科学的価値をどれほど読み取れるだろうか。読み取りにくいかもしれないし、実はそこにはそのような価値はないことさえある。質の高い科学論文から、科学を行う動機と意義を学ぼう。
以下の論文を教材として、科学論文の構造を読み取り、そこから科学の「かたち」を学ぶことにする。諸君が本大学院で科学を知り、研究を価値あるものにするために。

教材:Bernhard, H. et. al. (2006) Parochial altruism in humans. Nature 442: 912-915. Real_col_Dl.pngダウンロード

  • 注:読んで内容を理解しておくことが、授業出席のための条件である。
  • 補足:理解のキーとなる単語"parochial"は、辞書の第一義は「教会区の」、派生的に「度量の狭い」等の訳がある。
  •    "parochialism"は「教区制」から派生して「地方根性」、「郷党心」の意がある。
  •    本論文では「郷党の」あるいは「内輪の」と言う意味。

科学論文を読むときに注意を払うべき事項 (これらの明確化は論文を書く場合にも重要である)

  発端の疑問はなにか。
  その疑問はどのような生物学的背景からのものか。
  何を調べたか。
  調べたことから何が客観的に分かったか。客観的に分かったとはいえない場合、なぜか。
  分かったことについて背景となる知識を踏まえ、どのような解釈ができるか。
  個々の事実に対する解釈を総合して、合理的・客観的に主張できることは何か。
  最初に抱いた疑問の何に答えられたか、答えられなかったか。
  なぜ答えられなかったか。
  答えられたことは、どのような生物学的背景とどのように関係しているか。
  最初に想定していなかった新たな疑問が浮かんだか。それをどう調べたらよいと思うか。