研究紹介

|1|2|3|

2008 Theor Ecol.png■ 捕食者のほどほど適切な採餌行動と富栄養化のパラドックス

Theor. Ecol. (2008, in press)

単純な古典的数理モデルでは、基底の資源が豊富になると食物網の動態は不安定化する。これは直感や観察事実と折り合いが悪く、モデルが提示したバラドックスであるとする考えがある。捕食者は餌獲得率を高くするように複数の餌の密度に応じて利用餌メニューを変える。そうした捕食者の行動の調節は、数理モデルの食物網の示すパラドクス的振る舞いを緩和する。しかし、パラドックスを解消するのは、捕食者の最適なメニュー変更ではなく、ほどほども適切なメニュー変更である。

論文へリンクLinkIcon

royal2008.jpg■ 自然選択と富栄養化のパラドックス

Proc. R. Soc. B. (2008)

古典的数理モデルで知られている富栄養化に伴う食物網の不安定化は、パラドックスと捉えられている。生物間相互作用に関係する形質に対する自然選択の作用がこのパラドックスにどのような影響するかは、生態学の理論的な興味の対象である。1捕食者−2被食者の食物網で、最適採餌をする捕食者は富栄養化のパラドックスを緩和させることが調べられている。捕食者と捕食形質や被食者の防御形質に自然選択が働き、それらの形質が進化する場合、パラドックスは解消することが分かった。急速な形質の進化は食物網の安定性を損なうが、富栄養化に伴う系の安定性は強化されることが分かった。

論文へリンクLinkIcon

OIKOS2008.png■ 富栄養化のパラドックスの解消

OIKOS (2008)

1捕食者ー1被食者システム...。

論文へリンクLinkIcon

EvolEcol2008.jpg■ 水圏における流れは生物の初期生活史の進化にどう影響するか? 

Evolutionary Ecology (2008 in press)

生物の初期生活には進化生物学者が興味を抱く生活史形質やエピソードがある。卵や種の大きさの種間、種内のバリエーションは特に興味を引く形質であり、適応論的な説明のための基本理論が確立している。しかし、従来の研究は陸圏の生物に集中しており、水圏の特有な環境から卵の大きさを予測する理論の発展はほとんどない。私たちは、水圏の環境特性から卵の大きさに生じるパターンを予測するためのモデルを提案する。

論文へリンクLinkIcon

2007 PLoS One.png■ 誘導防御のコストを補償する形質発現の2つの経路

PLoS One (2007)2: e1084.

生物は差し迫った環境変化に対して何らかの反応をする。エゾサンショウウオの幼生は捕食の危機に対して2つの形質の可塑性を示す。池の底で動きを止める防衛がその一つである。防衛は捕食危機に対する直接の反応である。もう一つは防衛によって生じた酸素不足を補償するための外鰓の発達である。外鰓の可塑的発達は、防衛による酸素不足によってばかりでなく、もともとの原因であるが、直接的な原因ではない捕食者の存在によっても誘導される。

論文へリンクLinkIcon

2007b JTB.png■生活史形質の進化は競争種の共存を崩壊させる。

Journal of Theoretical Biology (2007b) 248: 552-559.

富栄養化と食物網の安定性の関係についての論争がある。30年前、単純な数理モデルの分析が、基底の資源が豊富になると食物網の動態は不安定化するようだという結論を導いた。この結論は直観や観察事実と折り合いが良くないという考えがあり、モデルがパラドックスを提案したといえる。私たちは数理モデルの解析からパラドックスが解消する条件を知ることができた。

論文へリンクLinkIcon

2007a JTB.png■富栄養化は群集の安定性を損なうのか?

Journal of Theoretical Biology (2007a) 248: 194-201.

富栄養化と食物網の安定性の関係についての論争がある。30年前、単純な数理モデルの分析が、基底の資源が豊富になると食物網の動態は不安定化するようだという結論を導いた。この結論は直観や観察事実と折り合いが良くないという考えがあり、モデルがパラドックスを提案したといえる。私たちは数理モデルの解析からパラドックスが解消する条件を知ることができた。

論文へリンクLinkIcon